マネーリテラシー向上委員会

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読書は「アウトプット」が99%, 藤井孝一, 三笠書房

大手金融会社から経営コンサルタントとして独立した著者が、読書をする際の心がけについて考え方を述べた本。タイトルはインパクトを重視してつけただけのようで、アウトプット(の重要性や方法論)に特化した本というよりは、「こんな風に本を選ぼう、読もう」というところがメインになっている。

 

そういった意味で、読んですぐアウトプットが出来るようになるものでもないし、アウトプットのやり方を説明しているわけでもない。ただ、"読書"について考えたときに大切な心がけが平易な文章で述べられており、参考に出来るところは多く読む価値はあるだろう。

 p.76 玉石混交の情報を精査する力は、やはり読書で養われます。濃い情報や深い情報にふれなければ、何が底の浅い情報なのかを見抜けないのです。

ネット(の情報)に対する本の優位性として、著者は信頼性が高いことを上げている。「うそはうそであると見抜ける人でないと(掲示板を使うのは)難しい」とはひろゆき氏の言葉であるが、故意にしろ偶然にしろ情報の裏を取らずに垂れ流しのできるネットに対して、本では相応の正しさが期待できる。それは、ネットよりも匿名性が低く、内容の正誤について著者、出版社が責任を負う必要があるからである。ネットでは欲しい情報(らしきもの)が簡単に手に入るが、それらを取捨選択する能力が必要。一朝一夕で得られるものではないが、さまざまな分野の本を対話しながら読み進め、少しずつ情報リテラシーを身につけていきたい。

p.115 その頃はアマゾンが日本に上陸したばかりで、認知度はまだ低く、(中略)書評を買い取っていたのです。短いレビューで5000円、長いレビューは1万円でした。

良い時代があったものだ・・・。著者がサラリーマンをしていた時代とのことだが、今年Amazonは上陸15周年なので、2000年代初頭だと推測される。ネットは黎明期を過ぎた時代であるが、そんな仕組みがあるなら侍魂なんか見てる場合じゃなかったなぁ。

p. 163 できる人は、やさしい本を使って全体像をつかんでいます。日本史なら、古墳時代から戦後までの全体の流れを、短時間でざっとつかみます。一方、歴史ができない人は、いつまでもずっと古墳時代をやっています。

これはなるほど、耳が痛くもある。難しい本を買い揃えて悦に入り、結局読まないということが何度かあったが、大切なのはまず取り組み全体を捉えること(=タカの目)。そのためには見栄をはらずマンガや高校生向け、児童向けの本でも良いから分かりやすいものから入るのが効率が良い。その後で必要に応じて詳細に入る(=アリの目)。歴史に限らず、文学、法律、経済、テクノロジー、どの分野でも同じことなんだろう。

最終章には著者の書評18本つきで、今後いろいろな分野へと読み広げていく足がかりにもなりそう。

 

評点:★★★☆