マネーリテラシー向上委員会

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簿記2級・3級併願 1ヶ月半で合格した私の方法

とりあえず合格。

 

monetak0123.hatenablog.com

 

 誰かの役に立てばと思い、合格体験記を残しておこうと思う。

バックグラウンド

そうは言っても環境や予備知識が違っては参考にならないと思うので・・・。

理系大学卒業、28歳既婚。職業はサラリーマン。設計・開発業務のため、簿記の予備知識はゼロ。生産にも携わっていないので工業簿記の感覚もなし。受験当時は休職中、平日昼間は時間たっぷり。持て余した時間を何に使おうかと思い巡らせた結果、かねてから受験を考え(テキストまで買って放置し)ていた簿記の受験を決め、1ヶ月半程度の準備にて2級、3級に合格。

普通の人に比べてニートさながら平日昼間の時間をたっぷり持っていたこと、理系なので一次方程式くらいは得意気に解けることの2点はアドバンテージ。ただそれ以外は完全に素人なので特に優位な点があるわけではなく、十分参考になるのではなかろうか。

 

予備知識ゼロから2級・3級併願で合格に必要なのは180時間

9月30日に簿記3級の勉強を始め、合格までに要した日数は46日、時間にして約180時間であった。"簿記 勉強時間"などで検索してみると150~220時間程度といわれているようで、至極平均的な勉強時間であった。特に簿記2級は難易度のばらつきが大きく合否が時の運に左右されがちであるが、このくらいの勉強時間を充てておけば、平均的な難易度(合格率30%前後)の回であれば不安なく合格できる実力が身につくのではないだろうか。

勉強期間について、私が180時間を1ヶ月半に詰め込めたのはもちろん休職中だったからであり(それでも単純平均で4時間/日なのだから詰め込んだというレベルではない)、仕事も家庭もある普通の人がこれだけの時間を確保するには2ヶ月~3ヶ月ほどかかるだろう。そういう意味では、大手予備校の簿記2級コースが概ね3ヶ月の期間をみているのは納得がいく。もちろん「簿記合格だけに全力を注ぐ。仕事も無いし愛する家族も彼女もいません」というつわものであれば、毎日かるく10時間は割けるとして2~3週間程度でも十分だと思われる。

 

勉強方法について

勉強のしかたはいろいろあるが、自分の体験から得たコメントを・・・他の資格試験にも通ずる部分があるかな。

テキストは一度読めばいい

学校の勉強、資格試験、何でもそうだが、読書を嗜んでいるわけではないので問題が解けないと意味がない。しっかりとストーリー(理屈)を理解しながらと考えてついついテキストを熟読しがちだけど、こと簿記検定に関してはあまり意味がない。テキストは一度流し読みするだけで、「こんなことが書いてあったなぁ」レベルになったらすぐ問題に取り掛かることが効率の良い学習につながると思う。もちろんこの時点では腹に落ちる感覚はなくモヤモヤと多少の苦痛も伴うだろうが、最初はわけも分からずパターンで解いていても、問題を解き進めていくうちに「こういうことか」が分かってくるというもの。

他のブログや本にも同じようなことが書いてあり半信半疑でこの方法を採用してみたが、今ならこのやり方がベストだと分かる。モヤモヤするストレスよりも、分かった気にだけなって問題が解けないストレスの方がよっぽど大きいものだ。

なにはともあれ過去問を

テキストと練習問題の類を一先ず1周終わらせたら、すぐに過去問へ移行するべき。2年~3年分(=6回~9回)解いてみて、ぜんぜん歯が立たないことに唖然としたら準備完了(もちろんこの段階では分からなければどんどん飛ばす。本番の制限時間は2級も3級も2時間であるが、解き方の分からない問題に2時間丸々悩む必要はない)。唖然としながら解答・解説を読んでノートに書き写し、しっくりくるまで全て見直す。そうしたら、過去問の2周目に入る。1周目では間違っていたところが半分くらいは吸収出来ているはずだから、解き終わったら再びしっくりくるまで見直す。これを繰り返していけば、3~4周するころには90点前後とれるようになるはず。こうなれば本番でも合格圏内に入ったと考えて良いだろう。

出版社オリジナルの強化問題集も良いのだが、この"問題に習熟する"段階では過去問にあたる方が解説の豊富さの面で圧倒的に向いていると思う。問題を解いて見直す際、オリジナルの問題集ではその本に載っている解説しか参照することが出来ず、その解説に不備がある(あるいは自分と合わない)場合、モヤモヤしたまま勉強を続けることになる。ところが過去問であれば問題自体が広く知られているため、これに対応する解説も出版社毎に + ネット上にいくらでも転がっている。たとえば【日商簿記検定の情報サイト】簿記検定ナビでは解答に使用された下書きも公開されているので、非常に役に立つ。これらの中から自分の理解しやすい解説を選択し、お気に入りの解説通りにインプットしていけば良い。簿記の勉強では「テキスト1周すぐ過去問」が鉄則。

解答用紙はまとめて用意

仕訳問題を除くと簿記の問題は一問一答形式でないものが多く、解答用紙が必要になるものが多い。だから問題集には丁寧に解答用紙が添付されているが、使う度にコピーするのは手間だし勉強のリズムも崩れるというもの。テンポよく学習を進めるため、まずは3回分あるいは4回分の解答用紙を印刷しファイルしておくことをおすすめする。そうすれば「第○○回の過去問を解こう」としたときにすぐ手に入るし、解き終わったものも綴じておけばいつでも振り返りができる。下書き用紙も一緒に綴じれるので、後から見たときに「前回はこの仕訳を間違った」「これは出来ていた」と、自分の解法や苦手な点を把握することができる。問題集付属の解答用紙をコピーしても良いし、例えばTAC出版資格の大原のHPでは解答用紙をダウンロードことも出来る。

苦手分野がはっきりしてきたら集中して解く

テキストは熟読しなくて良いが、問題(と解答・解説)は熟読してしっかりと頭に叩き込むことが必要。なんとなく解法を覚えて、過去問を繰り返し解くたびにウンウンうなりながら答えを導いていくようでは時間も足りなくなるし、効率が悪い。簿記2級では見たこともない問題が出ることは少なく、解法さえしっかりと理解しアウトプット出来れば1時間~1時間半で終わるボリュームだと考えられる。範囲が広いとは言え、定石通りに解けない問題はそうないのだから、パターンを覚えておけばかなり合格ラインに近づくだろう。そのためには、過去問をある程度周回して苦手な分野が分かってきたら、類題を徹底的に解きまくる期間を設け、一つずつモノにしていくことが有効だろう。私は時間がなかった為手持ちの過去問題集から類題を3~4題拾って繰り返し解いていったが、例えば決算整理や精算表、原価差異分析など、分野毎に手っ取り早くこなしていくには大原のステップアップ問題集が向いていると思う。 もちろんこの場合には全部を解く必要はなく、苦手なテーマを選択してつぶしていけば良い。

 

受験前にはぜひ模試を

簿記試験に申し込むと、受験票送付と同じタイミングで商工会議所から予備校主催の直前対策講座の案内が送られてくる。地方により異なるのかもしれないが、自分の住む地方都市でも送られてきたので多くは提携しているのだろう。予備校の回し者ではないが、少なくとも"模擬試験"と銘打ったものは受けておいた方が良い。

試験本番では緊張に加え、計算ミスや読み違いを防止するため時間をかけがちになる。そのため、いつも通りと思って問題を解いていくと時間不足に陥る恐れがある。これを防止するためには模擬試験を受けることが効果的。本番と同じ形式の問題・解答用紙と電卓を叩く音に囲まれる模擬試験は、本番での緊張感を味わい時間の使い方をシミュレーションするのに多いに役立つ。

私の場合は、TACの的中答練(模試)に2回、大原の直前講座(講義)に1回参加した。TACの的中答練は上述の通りで、大原は模試ではなく、配られたいくつかの予想問題について解法を説明してもらえる講義。それまで独学で理解していた内容が合っているという安心感が得られ、疑問に思っていたことを直接質問できる非常に良い機会であった。

おすすめテキスト

おすすめは安くて必要十分なTACスッキリシリーズ。 

スッキリわかる 日商簿記3級 第6版 [テキスト&問題集] (スッキリわかるシリーズ)

スッキリわかる 日商簿記3級 第6版 [テキスト&問題集] (スッキリわかるシリーズ)

 

よく言われる選び方であるが、同じ項目、簿記で言えば同じ仕訳を解説しているページを複数の書籍で見比べ、自分が理解しやすいものを選択すれば良いと思う。このシリーズはネコのキャラクターが会社を立ち上げていくストーリーで描かれていて、その点はまぁ、三十路の男が人前で開くにはいささか恥ずかしい仕上がりではある。ただ、新しい仕訳が登場するときはいつも「今までの知識で」まず書けるところを書いてみる⇒新しく学ぶ勘定科目や仕訳方法で空欄を埋める、という書き方をしてくれているので、既習項目の定着が早い気がした。工業簿記の原価計算については(そもそも全体感が頭に入っていないと難しいものだが)いきなり解答のボックス図が示されるだけで、仕訳のように着々とステップアップしていける感じはない。これは、原価計算自体がそもそも全体感が頭に入っていないと手がつけられないものなので、過去問の繰り返しで定着させるしかないのだろう。

TACからはもう一つ、より詳しい解説が期待できる"よくわかる簿記"シリーズが出ているが、倍近い値段に愕然。遠慮しておいた。勉強を進めてみると、確かに"スッキリ"シリーズでは解説不足に感じる部分が散見された。基本的に図書館で勉強していたため、不明点はメモして家に帰ってパソコンで調べるという手間はかかったが、そこまでストレスの大きな作業でもなかったと思う。ただ、記憶の定着にはテキスト⇔ネットと情報を散らさず一冊のテキストに集約する方が効率的ではあるので、このあたりはバランスと好み次第といえるだろう。

費用実績

テキスト・問題集

スッキリわかる 日商簿記3級 第6版 [テキスト&問題集] (スッキリわかるシリーズ)

\1,026

スッキリとける 日商簿記3級 過去+予想問題集 2015年度 (スッキリわかるシリーズ)

\1,026

スッキリわかる 日商簿記2級 商業簿記 第7版 [テキスト&問題集] (スッキリわかるシリーズ)

\1,080

スッキリわかる 日商簿記2級 工業簿記 第4版 [テキスト&問題集] (スッキリわかるシリーズ)

\1,080

スッキリとける 日商簿記2級 過去+予想問題集 2015年度 (スッキリわかるシリーズ)

\1,080
 受験料

3級

\2,652

2級

\4,712
 直前講座

TAC 的中答練習 x 2回

\2,000

大原 直前対策 x 1回

\1,000
 コピー代 \2,000
 合計 \17,656

思っていたよりもかかっていた・・・。コスパとしてはどうなんだろう。

 

以上